書店、それも規模の大きな書店に行くと英語学習書のコーナーが必ずあります。
そして、多種にわたるさまざまな学習書が置いてあります。
私はそれらを見て、戸惑ってしまいます。
● 英会話教材
● 単語専門書
● イディオム専門書
● 便利な英語表現
● 英作文学習書
● 英語読解学習書
● リスニング学習書
● 英検受験用学習書
● TOEIC用学習書
● 大学受験用学習書
● ビジネス英語学習書
● メールの英語
● 発音学習書
● 英文法書
● こどもの英語
● 大人の英語
● 時事英語学習書
● CNNニュース学習書(’月間雑誌)
● 工業英語の学習書
● 海外旅行の英語
● その他いろいろ・・・・きりがない。
もっとありますね。細かく分けるほど売れやすいですから。
でもこれだけの種類が必要なのでしょうか?
いいえ。
これらは、業者が売り上げを増やすためのものです。
実際、これだけのものが本当に必要でしょうか?
もちろん必要ないですし、私は殆どどれも使ったことがありません。
前回お話しした、私の恩師、國弘正雄先生の場合はどうでしたか?
中学の英語教科書だけでした。
TOEICを受験するからといって、
TOEIC専門学習書を購入しないと高得点が取れないでしょうか?
そんなことはありません。
どんな形式で問題が成り立っているかを知るのには役立ちますが、
その本で英語力をつけようとしても、非効率的です。
英検を受験するからといって、英検受験用学習書を読んでみても、
傾向対策などのノウハウは知り得ても、肝心の英語力は身につきません。
メールの英語って何でしょうか?
私はほとんど毎日英語でメールをアメリカに送っていますが、
何も特別な変わった英語ではありません。
大学受験用の英語学習書を書店で立ち読みしてみましたが、
私は全部正解できます。
もちろん、そのような学習書を使ったことはありません。
工業英語って何でしょうか?
私はその種の本は購入したことはありませんが、
あらゆるエンジニア同士の会話を通訳してきました。
ビジネス英会話って何でしょうか?
日常英会話と何が違うのでしょうか?
何も違いません。
私はあらゆる企業で、商談通訳をやってきました。
そのような本を使って勉強したことなどありません。
政治問題を英語で表現するのは難しいと思いますか?
私はそうは思いません。
自衛隊の活動範囲について国会で取り上げられていますが、
中学英語と単語だけで、100%議論可能です。
私は医学関係の通訳もやりましたが、
中学英語と単語で十分やっていけました。
ただ、専門用語がかなりあります。
前回も言ったように、
中学英語の構文とあとは単語(イディオムを含む)です。
言いたいことはおわかりでしょう?
著者や出版社は、
皆さんの財布の紐を緩めさせようとあれやこれやと考え、
様々な学習書を次から次へと出してきますが、
どれも必要ではありません。
何度も繰り返します。
國弘先生も私も、こういった書籍は一切使っていないのです。
達人はまず基礎を固め、それをトレーニングで磨いていったのです。
そのために必要な教材は、驚くほど少ないのです。
それを見誤ると足元がブレてしまい、あれやこれやと手を出し、
知識やノウハウだけを集めるノウハウ・コレクターになってしまったり、
口先だけのコンサルタントになってしまいます。
大切なことは、繰り返しトレーニングすることです。
いかに多くの参考書を読んだか、ではありません。(逆効果です)
くれぐれも、業者の魅惑的なキャッチコピーやセールストークに
惑わされないようにしてください。