今日は、ある程度英語ができるようになった方々が
非常に陥りやすい罠についてお話ししましょう。
まず、この日本語を訳してみてください。
「床がすべりやすくなっていますので、足元にご注意ください」
下の英文は見ないようにしてくださいね!
この文は実際に、沖縄のある健康ランド施設(海水によるタラソテラピー)で、
日本語と英語の2カ国後で表記されています。
掲示板の英文はこうなっています:
Please watch your step as the floor is slippery.
これのどこがおかしいでしょう? おわかりですか?
文法上は正しいです。 学校英語では間違いとは言えません。
答えを申し上げましょう。 「as」 がおかしいです。
「いや、おかしくはないはずだ」と感じる人は、日本語から翻訳しています。
「ので」の英訳は「as 」だから・・・ と考えたのではありませんか?
ネイティブならどう言うでしょうか?
↓
↓
Watch out for slippery floor!
ついでに申し上げると、看板表示では the などはよく省略します。
他にも言い方はいろいろあります:
(1) Watch out ! Floor is slippery.
(2) Floor is slippery.
(3) Watch your step. The floor is slippery.
この最後の例では、as がない、please がないだけの違いになりますね。
それだけなのに、よりシンプルで分かり易いです。
実は、please もあまり使いません。 日本語的です。
さて、今回私が言いたいことは、そんな細かいことではありません。
あなたの英語表現の、基本的スタンスに関することです。
「英作文でなく、英借文をしてください」
ということです。
以前、私のメルマガやブログでもお話ししたはずです。
では、もうひとつだけ練習しておきましょう。
列に並んでいて、やっと窓口に来るよう呼ばれました。
「次の方、どうぞ」
さあ、これをどう英語で表現しますか?
Next person, please come to this counter.
なら英作文です。
正しくは、
Next
それだけです。
私が「英借文」と呼んでいるのは、こういうことです。
「英作文」をしてはいけません。
英語をあなたが作ってはいけないのです。日本語の発想になってしまいます。
文法的には正しいでしょうが、ネイティブは首を傾げます。
そうではなくて、「英借文」をしましょう。
実際に使われている英語を「拝借してくる」べきなのです。
そうすれば、ネイティブにもパチーンと意味が通じます。