日本テレビで、みのもんた司会の人気番組があります。
毎回、各地方独特の食べ物や食べ方を紹介するのですが、
現地で取材をすると、誰もが普通で当たり前だと言います。
大阪では、天ぷらにとんかつソースをかけてたべるのが当たり前とか、
ところてんに甘い黒蜜をかけるのが定番とか、
大阪ではそれが普通ということで、それでいいのではないでしょうか?
これを英語に置き換えてみましょう。
この英語をどう思われますか?
What time is it?
学校では、What を学ぶと真っ先に出てくる表現ですよね?
でも、ある先生は、こんなことを言っていました。
What time do you have? の方が自然だと・・・
正解を言いますと、どちらでも正しいのです。
その先生が、たまたま What time do you have? を頻繁に使っていて、
そう思ってしまったのでしょう。
2つ目の例を挙げましょう。
こんな会話については、どう思いますか?
How are you?
I’m fine, thank you.
中学1年生の教科書に出てくる挨拶の英語ですが、
こんな挨拶は実際にはしていない、というアメリカ在住の日本人がいました。
その人は、
Hey, how are you doing?
Hi, there!
What’s up, man?
などが実際にはよく使われるんだ、と言っていました。
正解を言いますと、これも、どちらも正しいのです。
ただ、下の3つの表現は、かなり若い世代の 「くだけた英語」 です。
中高年は、そのような表現はあまり使いません。
かなり年配の方だと、こんな挨拶も多いです。
How do you do?
イギリス英語では、特によく使われる表現です。
3つ目の例を挙げましょう。
私の娘は、日本語が話せない英語のネイティブスピーカーですが、
接続詞の that は省きます。
I think (that) she will accept his proposal.
彼女は彼のプロポーザルを受け入れると思うよ。
この that は、the に聞こえるくらい軽く発音することもありますし、
省いてしまうこと多いのです。
どちらでも正しいのですが、娘は、極力無い方がいい英語だといいます。
でも、それはその人の主観です。
更に、どの表現が使われるかは、時代と共に変化します。
日本語の例を挙げましょう。
30年前は「新しい」というのを「ナウイ」と言ってましたが、
それが20年、10年と経過するにつれ、誰も使わなくなりました。
ということは、そうなるまでの途中に、グレイゾーンがあったに違いありません。
その路線で言えば、2015年の現在ではこんなグレイゾーンがあります。
I don’t have anything
I don’t have nothing.
学校では、上が正しく下は間違いと教わったことでしょう。
現代口語としては、両方とも正しいです。
ただ、下の表現は、かなりカジュアルな状況でしか使いません。(黒人はよく使います)
上流社会の人々から見ると、間違い英語です。
このように、言葉は生き物です。
時代と共に、また、どんな人に使われるかによって、変化し続けるのです。