よほど英語の上級者でないと和訳すると、変な英語になりがちです。 プロの翻訳家(日本人のプロ)でさえ和訳の仕事では、外人校閲を入れてから納入します。どんなベテランの日本人の翻訳家が英文を書いても、必ずネイティブならこういう表現はしない、というのがあります。 だから、The Japan Times を例にとって説明すると、日本人が書いた英語は日本人には結構読みやすいのです。発想が日本語だから。 NHKのバイリンガルのニュースもそうです。日本人が翻訳した英文を読み上げているだけなので、日本人にはわかりやすい英語です。ところが、The Japan Timesの中に、The Washington Postというアメリカの新聞記事もありますが、そこを読むと読みづらくなります。日本人の発想からかけ離れた英語的発想になりますから。 もちろん、日本人が書いた部分も全部正しい英語であり問題は全くありません。 ネイティブにも通じるいい英語です。 でも、発想が違うだけです。
ですから、どんなに英語が達者な日本人でもネイティブと全く同じ英語の発音はできないように、(だからNHKの英語教育番組でもネイティブの人が発音だけは担当してますね) どんなに英語が達者な日本人でもネイティブと同等の発想を持つことはできません。 The Japan Timesの英文からもそれは明らかです。
私が言いたいことは・・・・
プロでさえもそうですから、英語の初心者の場合は、ましてや、もっと変な英語になってしまいます。例をとってこれからドリルをやってみましょう。やってはいけないことをわざとやります。 日本語を土台に英文をつくってください。 きっと変な英語になります。では、スタート!
(1) 「何か名案はないかね?」
Do you have any idea ?
これのどこがおかしいですか?
正しくは、Do you have any ideas ? です。
Do you have any idea when he will come to Japan ? 彼がいつ来日するか知ってますか?
= Do you know when he will come to Japan ?
ならOKです。 ideas は名案、概念という意味があります。
(2) (お店で) 「じゃ、これにします」
Okay, then, I want to buy this.
これのどこがおかしいですか?
正しくは、Okay, then, I’ll take this.
I want to buy this でも文法的には正しいですが、ニュアンスが小さい子供がだだをこねておねだりしているようなニュアンスになります。
(3) 「なにか飲むものはないのかい?」
Don’t you have anything to drink ?
これのどこがおかしいですか?
正しくは、Do you have something to drink ? です。
否定文で質問されると、非難されているようなニュアンスに聞こえます。 これも両方とも文法的に正しいのですが、ニュアンスの違いだけです。 さらに、something のほうが肯定的なニュアンスになります。 anythingは本当に疑っているニュアンスが感じられます。
(4) 「コーヒーを飲んでもいいですよ」
You may have some coffe.
これのどこがおかしいですか?
正しくは、You can have some coffe. です。
may を使うと、ニュアンス的には、母親が子供に対して「~hしていいよ」と許可をしているような上から目線のニュアンスです。
まだまだありますが、この辺にしておきます。日本語を土台に考えて英語に訳す危険性がこれでおわかりになりましたか?
では、どうしたらいいか?
1.ネイティブが書いた英文を音読
2.その英語を英語のままでイメージとしてとらえ(理解し) そのまま覚えていくことです。たとえ、1回は日本語に翻訳しても、2回目以降は英語でイメージを頭に浮かべること。